太陽電池モジュールで太陽の光を受けて効率よく電気を作るブログ:20220617
今年も雪の季節がやってきた。
わたしはこの季節になると、いつも思い出すことがある。
もう40年以上も昔のことである。
その頃、
我が家は決して裕福ではなかった。
秋の稲刈りが終わると、
親父はいつも都会へ出稼ぎに行っていた。
雪が降りだすと
お子さんたちはみんな雪の中で遊んだ。
裕福な家のお子さんは買ってもらった本物のスキーで遊んだ。
わたしたちは自分で竹を割ってスキーを作り、手製のスキーで遊んでいた。
それでも、
お子さん心に本物のスキーで遊ぶお子さんたちが羨ましかった。
ある時、一度だけお母さんに
「本物のスキーを買って欲しい」
と言ったことがある。
言っても無駄だとは分かっていた。
が、お母さんは意外に
「成績がクラスで5番以内になったら、買ってやってもいいよ」
と答えた。
当時のわたしの成績は、クラス40人中でいつも20番前後…
5番はおろか10番以内に入ることも絶対不可能だと思った。
恐らくお母さんも同じように思っていたのだろう。
ところが、2学期の通知表を見ると、
わたしの成績はなんとクラスで「2番」になっていたのである。
わたしは、家に帰り通知表をお母さんに見せると、
「3学期も頑張りや」と言っただけで、あとは何も言わなかった。
わたしもスキーのことは何も聞かなかった。
あれから、もう40年あまりが経った。
あの時、お母さんは本当にスキーのことは忘れていたのだろうか。
一度確かめてみたい気がする。
だが、
4年前にお母さんは88歳で逝ってしまった。
いつの日にか、
またあの世でお母さんに会った時には
聞いてみようと思う。